定常波の節ができる前の有限変位の伝播速度
説明
とがった節のある定常波は時空間を伝播できない.しかし,定常波ができる前の「準定常波」と名付ける過渡現象では,とがった節は丸みを帯びた首構造になっているため,ある一部の有限変位は首状の時空間を伝播できる.進まぬ定常波は左右に進む波の振幅が等しいときに生じるが,振幅が異なる重ね合わせでは,定常波に似ている状態で進む変位が存在しうる.波動方程式の解の一次結合は波動方程式の解であるが故に,重ね合わせ状態に進行波成分があってもよいのである.等速でないその伝播速度は進行できる変位の大きさに応じて特異な振る舞いを示す.その理解のためには,ある場所で発生した変位の位相が常に一定値を取る時空間内での運動を考える必要がある.こうした変位の運動を渋滞現象や仮想粒子の運動として考え,解析力学的分析による仮想ポテンシャルを導出する.
収録刊行物
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- 物理教育通信
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物理教育通信 174 (0), 137-152, 2019
物理教育研究会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001288151632128
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- NII論文ID
- 130007676416
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- ISSN
- 24334529
- 24238988
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可