気泡サイズの違いによる動脈フィルタの気泡捕捉能への影響

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  • Effects of bubble size differences on the bubble-trapping performance of arterial line filters

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抄録

<p>人工心肺(cardiopulmonary bypass:CPB)回路内の微小気泡は静脈リザーバや人工肺などで捕捉され、最終的に動脈フィルタ(arterial line filter:ALF)によりガス状微小塞栓(gaseous micro-emboli:GME)が生体へ送られるのを防いでいる。本研究ではポアサイズが40μm(PS40)と20μm(PS20)のALFについて、平均気泡径が50μm、100μm、180μmの気泡群をALFに流入させ、気泡サイズの違いによるALFのGME除去能力について検討した。</p><p>各大きさの気泡群において気泡数除去率は(50μm:PS40=44.5±0.7%、PS20=56.1±0.6%、P<0.001)、(100μm:PS40=13.7±1.9%、PS20=9.9±3.8%、P=0.205)、(180μm:PS40=-7.0±1.5%、PS20=-29.3±1.8%、P<0.001)となった。気泡収縮率と気泡体積除去率は有意にPS20が高かった。</p><p>気泡サイズが大きいほど、気泡内圧が小さくなるため、気泡が変形・分裂しやすくなると考えられた。そのため、ALFに流入する全ての気泡を40~50μm以下に抑えることがGME除去能力を高くすることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 体外循環技術

    体外循環技術 46 (2), 125-130, 2019

    一般社団法人 日本体外循環技術医学会

参考文献 (11)*注記

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