英語の観光ガイドブックにおける日本の言説

書誌事項

タイトル別名
  • Discourses on Japan in Anglophone Tourist Guidebooks
  • Discourses on Japan in Anglophone Tourist Guidebooks : Lonely Planet in the 1980s
  • Lonely Planet in the 1980s
  • 1980 年代のロンリー・プラネット

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抄録

本論文は、1980年代の英語観光ガイドブック『ロンリー・プラネット( Lonely Planet)』における日本をめぐる言説の変遷について、ポストコロニアリズムの観点から分析するものである。アリ・ベダッドらによると、観光ガイドブックは非西洋社会を表象する際に、その社会の過去に焦点を合わせ、現在を無視し、またそれらの社会を西洋とは対照的なものとして描く点で、オリエンタリズムの枠組みを利用している。本論文は、アジアの先進国である日本に注目、『Lonely Planet Japan』の連続した3つの版を研究対象とし、1980年代の日本をめぐる言説において、重要な変化があったことを指摘する。当時日本をめぐる観光言説は多様化し、従来のオリエンタリスト言説から転換したものの、西洋と東洋を正反対に捉える枠組みは維持され、新たなオリエンタリスト言説が登場したと筆者は考える。本論文は、こうした変化が、出版社内の状況、日本国内および日本と英語圏諸国の関係における政治的、また社会的な変化と関連していることを明らかにする。最後にこのような言説は、他の国の観光的言説においても重要であり、一般に現代の観光メディアにおける、異なる社会に関する言説についての理解を深める上でも意義があることを論じる。

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