キョウトゴキブリ越冬幼虫における齢構成の2極化
書誌事項
- タイトル別名
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- Two phases in hibernating nymphs of <i>Asiablatta kyotoensis</i> Asahina (Blattaria: Blattellidae) under unheated room conditions
説明
<p>以上の結果から,冬に加温しない(または加温の少ない)家屋内でのキョウトゴキブリの周年経過は以上のようにまとめられる.</p><p>成虫は初夏に出現し産卵を開始する.夏までにふ化した幼虫は大型幼虫(亜終齢~終齢幼虫)まで生長して越冬し,翌年成虫になる.この時成虫にならず,あるいは過剰脱皮して再度越冬することもある.</p><p>秋にふ化した幼虫は,ある程度生長した状態(2~4齢幼虫)で越冬し,翌年大型幼虫になるが羽化せず,終齢または過剰脱皮個体として再度越冬した後,次年の夏に羽化する.いずれにせよ,過剰脱皮した幼虫は巨大幼虫となり,巨大成虫にもなる.</p><p>越冬時には,幼虫サイズが上記2サイズに2極化し,成虫,卵,1齢幼虫は認められず,中間サイズの幼虫も少ない.これは,2極それぞれのサイズで生長を遅らせ,それ以下のサイズ個体が追い付いてくるのを待つタイミング・メカニズム,すなわち休眠現象の存在を強く示唆するものである.類似の周年経過が,ヤマトゴキブリやクロゴキブリで推定されており(辻・種池,1990),温帯ゴキブリの共通性を感じさせる.</p>
収録刊行物
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- ペストロジー学会誌
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ペストロジー学会誌 8 (1), 13-17, 1993-10-20
日本ペストロジー学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001288152782848
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- NII論文ID
- 110007332310
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- ISSN
- 24321532
- 09167382
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可