<i>MYD88</i><sup>L265P</sup> 遺伝子変異を認めたnon-IgMリンパ形質細胞リンパ腫(LPL)の4症例

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タイトル別名
  • Lymphoplasmacytic lymphoma with the <i>MYD88</i><sup>L265P</sup> mutation, producing non-IgM monoclonal immunoglobulins: 4 case reports
  • Lymphoplasmacytic lymphoma with the MYD88[L265P] mutation, producing non-IgM monoclonal immunoglobulins : 4 case reports

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抄録

<p>我々は,主病変が骨髄にあり,IgM以外(non-IgM) のクラスのM蛋白とMYD88L265P変異を認めたB細胞リンパ腫の4症例を報告する.年齢は50代から80代で,いずれも男性であった.初期症状や検査データは様々であったが,骨病変,腎障害,高カルシウム血症や,過粘稠症候群に伴う症候は認めなかった.M蛋白は,1例はIgG-κと少量のIgM-κ,2例はIgG-κ,残りの1例はλ鎖のみであった.尿中ベンスジョーンズ蛋白は3例に認めた.骨髄生検では,いずれも過形成骨髄で,成熟リンパ球が22.4%から93.9%を占めた.2例では形質細胞様細胞・形質細胞が認められた.フローサイトメトリーでは,いずれの症例の腫瘍細胞もCD19, CD20, CD22陽性,CD5, CD23陰性であった.2例で肥満細胞の増加を認めたが,Dutcher小体は1例の少数の形質細胞に認められたのみであった.我々は,MYD88L265P変異を検出するために,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を応用した2つの検査方法を確立し4症例に適用したところ,いずれも変異陽性であった.それぞれの患者は,リツキシマブ単剤またはフルダラビンまたはベンダムスチンとの併用,またはボルテゾミブとデキサメサゾンによる治療を受けた.4症例の初期診断はさまざまであったが,MYD88L265P変異を認めたことから,いずれもリンパ形質細胞リンパ腫に含むのが妥当であると考えられた.</p>

収録刊行物

  • Tenri Medical Bulletin

    Tenri Medical Bulletin 22 (1), 12-28, 2019-12-25

    公益財団法人 天理よろづ相談所 医学研究所

参考文献 (14)*注記

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