就労を見据えた車いすシーティングの最新情報

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抄録

<p> 車いすの調整に積極的に取り組む院内環境は,まだ整っていない状況であると考えられる。そこには,誰が車いす管理を担当し,修繕などのメンテナンスをどのように実施するのかという課題や車いすシーティングの有用性の十分な理解が得られていない背景がある。また,組織的に取り組まなければ,有志の理学療法士による活動が時間外に行われるという結果が活発化しない原因の一つであった。</p><p> </p><p> このことから昨年,厚生労働省から疑義解釈資料が発表され,理学療法士,作業療法士の方が業務時間内に車いすシーティングへ対応可能であることが明確化された。これをきっかけに,今後車いすシーティングが注目されるようになると期待される。しかしながら制度面が整ってきても,車いすシーティングを取り巻く環境は,依然として,なかなか発展していかない。そこには,車いすシーティングの有効性に興味関心はあるが,今一歩が踏み出せない理学療法士の方々が多くいるのではないかと考える。より多くの理学療法士の方々が車いすシーティングを実践していくことにより,生活が改善する患者さんはとても多くいると思われる。</p><p> </p><p> 弊社では,車いす研究の中でシーティングを最重要視しており,車いすシーティング技術により障がい者の就労の可能性が広がっていくことを念頭に入れている。そこで,よりよい社会生活を送る上で大切な車いす機能の一つである車いすシーティングを理学療法士の方々と深く考えて行きたいと考えております。今回,理学療法士の方々に車いすシーティングを今まで以上に考え,取り入れて行って頂きたいと考え,この度のランチョンセミナーを開催する運びとなりました。</p><p> </p><p> 講師には,障がい者雇用と障がい者スポーツで有名な太陽の家出身である車椅子当事者に登壇して頂くことになりました。就労において,いかに車いすシーティングが大切であるかを自身の経験談からお話頂きます。それと共に,弊社が車いすシーティングや移乗動作に関して,どのような考えの下,開発に取り組み,製品を通してどんな課題解決を行っていこうとしているかをご紹介致します。</p>

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 46S1 (0), H1-83-H1-83, 2019

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288157833088
  • NII論文ID
    130007693539
  • DOI
    10.14900/cjpt.46s1.h1-83
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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