思春期の4年間を病棟で過ごした摂食障害女児の治療経過

  • 黒江 美穂子
    青渓会駒木野病院児童精神科
  • 宇佐美 政英
    国立研究開発法人国立国際医療研究センター国府台病院 児童精神科
  • 渡部 京太
    国立研究開発法人国立国際医療研究センター国府台病院 児童精神科
  • 齊藤 万比古
    恩寵財団母子愛育会総合母子保健センター愛育クリニック 小児精神保健科

書誌事項

タイトル別名
  • CASE REPORT OF AN ANOREXIC GIRL UNDERGOING FOUR YEARS OF INPATIENT TREATMENT DURING ADOLESCENCE: THE PROCESS OF FREEING THE MIND
  • 症例研究 思春期の4年間を病棟で過ごした摂食障害女児の治療経過 : こころが自由になること
  • ショウレイ ケンキュウ シシュンキ ノ 4ネンカン オ ビョウトウ デ スゴシタ セッショク ショウガイ ジョジ ノ チリョウ ケイカ : ココロ ガ ジユウ ニ ナル コト
  • ─こころが自由になること─

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抄録

<p>10歳で神経性無食欲症を発症した女児の,長期入院治療を経験したのでここに報告する。女児の強固な拒食病理や完璧主義的思考により,経過は一進一退であったが,徐々に心身の健康と年齢相応の自立志向性を獲得していった。女児の症状形成過程および入院治療が長期化した背景にある精神病理を考察し,治療においては身体管理や生命の保護のみならず,治療スタッフの関わりによる基本的信頼感の構築,さらに同年代仲間集団との交流といった複合的な機能を担った児童思春期専門病棟の意義について述べた。また家族療法の導入により,治療者が多角的,重層的な視点から症例を捉えられたこと,両親が親としての支持機能を回復し,特に母親が活き活きと情緒的応答性を取り戻したことが,回復の鍵となった。</p>

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