慢性閉塞性肺疾患と慢性心不全の検査データについて比較・検討

DOI
  • 吉岡 幹太
    昭和大学藤が丘リハビリテーション病院リハビリテーションセンター
  • 齊藤 哲也
    昭和大学藤が丘リハビリテーション病院リハビリテーションセンター 昭和大学横浜市北部病院呼吸器センター
  • 小和板 仁
    昭和大学藤が丘リハビリテーション病院リハビリテーションセンター
  • 楯野 英胤
    昭和大学藤が丘リハビリテーション病院呼吸器内科
  • 宮澤 僚
    昭和大学藤が丘リハビリテーション病院リハビリテーションセンター
  • 礒 良崇
    昭和大学スポーツ運動科学研究所 昭和大学医学部外科学講座呼吸器外科学部門
  • 久野 越史
    昭和大学藤が丘リハビリテーション病院循環器内科
  • 角田 史敬
    昭和大学藤が丘リハビリテーション病院循環器内科
  • 大野 範夫
    昭和大学藤が丘リハビリテーション病院リハビリテーションセンター

抄録

<p>【背景および目的】慢性閉塞性肺疾患(COPD)は呼吸困難のため活動量が低下し、身体機能の低下をもたらす。また、慢性心不全においても心機能低下のため運動耐容能が低下し、身体機能の低下をもたらすことが知られている。我々は以前に呼吸リハビリテーション(リハ)対象症例と心臓リハ対象症例の体組成を検討した結果、骨密度(BMD)にのみ有意差を認め、筋肉量・体脂肪率は呼吸リハ症例が少ない傾向にあったことを報告した。今回は慢性疾患のみを対象とし、リハプログラム立案に関連する因子について検討した。</p><p>【対象と方法】当院でCOPD・心不全と診断され、二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)による体組成評価を実施された男性23例[COPD17例、心不全6例、年齢81.52(6.45)歳]を対象とした。COPD群と心不全群におけるDEXA・血液検査・呼吸機能検査・心機能検査データについて比較した。</p><p> </p><p>【結果】[平均値(SD)]</p><p>筋肉量が7.00kg/m2未満だったのは65%(COPD66.7%、心不全50%)であった。Albが基準値(3.50g/dl)未満だったのは61%(COPD71%、心不全33%)であった。FEV1[1.20(0.57)vs1.99(0.31),p<0.05]、FEV1%[44.05(13.0)vs74.88(14.39) ,p<0.05]はCOPD群が有意に低値であった。体脂肪率[25.12(11.10)vs30.22(6.71)]、四肢非脂肪量[18.78(3.63)vs18.81(3.84)]、全身BMD[1.00(0.14)vs1.07(0.09)]に有意差はなかった。</p><p> </p><p>【考察】2群間における身体特性に有意差はなかった。全体の65%に筋肉量の低下がみられ、一般的には虚弱なグループであった。また、全体の61%にAlbの低下がみられたことから、リハを実施する際の負荷量調整だけでなく、包括的介入の必要性が示唆された。2群間のDEXAに差がなかったことから、疾患によって一律的なリハプログラムを立案することは妥当ではないことが示唆された。FEV1、FEV1%に有意差を認めたことより、慢性疾患におけるリハプログラム立案に関連する因子は疾患特異的な項目であった。</p><p> </p><p>【倫理的配慮,説明と同意】本研究は昭和大学藤が丘リハビリテーション病院の臨床試験審査委員会にて承認を得た。診療録から研究対象者の資料・情報を取得する際、オプトアウト等により研究対象者等に資料・情報の利用目的を含む当該研究についての情報を、研究内容説明書にて通知・公開し、研究対象者の資料・情報が利用されることを研究対象者等が拒否できる機会を保障した。研究対象者からの使用の中止の申し出があった場合には、当該情報は使用しない。</p>

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 46S1 (0), A-37_2-A-37_2, 2019

    公益社団法人 日本理学療法士協会

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288158483840
  • NII論文ID
    130007692420
  • DOI
    10.14900/cjpt.46s1.a-37_2
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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