女性糖尿病患者における筋肉量と身体機能および背景因子との関連性

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  • -糖尿病患者における筋肉量と身体機能および背景因子との関連性-

抄録

<p>【目的】当院における糖尿病入院患者の筋肉量低下群と筋肉量非低下群に分類し、身体機能、背景因子の関連性について調査を行った。</p><p> </p><p>【方法】女性糖尿病を対象。体組成計を使用し、筋肉量が低下している低下群13名と筋肉量が向上している非低下群13名を二群に分類。調査項目①身体機能:握力、10m歩行、②背景因子:入院時HbA1c・血糖値、入院前の1週間の運動時間(以下、運動時間)、基礎代謝量、体重、BMI、除脂肪量、体脂肪率、下腿周径、SMI推定式。統計解析の群間比較は対応のないt-検定、Mann Whitney U 検定、低下群と非低下群の身体機能、背景因子はSpearmanの順位相関係数を用いた。有意水準5%未満とした。</p><p> </p><p>【結果】群間比較では左握力、運動時間、基礎代謝、体重、BMI、除脂肪量、体脂肪率、下腿周径、SMI推定式(P<0.01)、右握力、10m歩行、入院時HbA1c・血糖値(P<0.05)で有意差を認めた。低下群と非低下群の関連性では、握力、運動時間(P<0.05)、基礎代謝量、除脂肪量、体脂肪率、下腿周径(P<0.01)で正の相関を認め、入院時HbA1c・血糖値(P<0.05)で負の相関を認めた。</p><p> </p><p>【考察および結論】低下群は非低下群に比べ握力、運動時間、基礎代謝、体重、BMI、除脂肪量、体脂肪率、下腿周径、SMI推定式の項目で有意に低い値を示し、それら項目の相関分析結果から有意な負の相関を示した。この結果は筋肉量低下に伴い前述項目の値が低下する傾向が示唆された。また低下群では入院時HbA1c・血糖値が上昇する結果となった。糖尿病における筋肉はインスリン標的臓器であり、筋肉量低下や筋力低下がインスリン感受性低下の要因となり血糖コントロール不良となる可能性がある。本研究の結果は、筋代謝力を高め血糖コントロール改善や蛋白分解抑制を目的とした運動療法導入の重要性を示す知見であると考える。</p><p> </p><p>【倫理的配慮,説明と同意】本研究に際して患者データを使用する旨を説明し同意を得た。</p>

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 46S1 (0), A-116_2-A-116_2, 2019

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288158488704
  • NII論文ID
    130007692472
  • DOI
    10.14900/cjpt.46s1.a-116_2
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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