種子による腸閉塞を契機に発見された多発転移を伴う原発性小腸癌の1例

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  • Small Intestine Carcinoma with Multiple Metastasis Presenting as a Small Bowel Obstruction Due to a Dried Plum Stone:Report of a Case

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抄録

<p>症例は66歳,男性。貧血,タール便を認め,精査加療目的に入院となった。上部,下部内視鏡において明らかな出血源は認めなかった。CTで前縦隔から右鎖骨上リンパ節が腫大し,PETでは同部位,十二指腸,腰椎にFDGの集積を認めた。上部内視鏡再検査の結果,十二指腸下行脚に結節状隆起を認め,生検で低分化型腺癌と診断された。一時退院となったが,翌月に腹痛で再入院となった。CTでは小腸壁肥厚と球状異物を認め,腸閉塞を呈していた。問診では数日前に梅干の種子を誤飲したことが判明した。イレウス管による減圧治療で改善を認めないため,緊急手術を施行した。術中所見では小腸の癌性狭窄と同部の種子嵌頓を認めた。切除標本の病理組織学的検討から原発性小腸癌,多発リンパ節転移,十二指腸転移の診断となった。原発性小腸癌はまれな疾患であり,種子嵌頓による腸閉塞を契機に発見された報告は稀少であり,文献的考察を加え報告する。</p>

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