花粉抗原からみる日本列島の空中花粉長期調査結果

書誌事項

タイトル別名
  • LONG-TERM RESULTS OF AIRBORNE POLLEN SURVEYS IN THE JAPANESE ARCHIPELAGO FROM THE PERSPECTIVE OF POLLEN ANTIGEN
  • 花粉抗原からみる日本列島の空中花粉長期調査結果 : 我が国の重要な草本花粉抗原の地域性と年次変動
  • カフン コウゲン カラ ミル ニホン レットウ ノ クウチュウ カフン チョウキ チョウサ ケッカ : ワガクニ ノ ジュウヨウ ナ ソウホン カフン コウゲン ノ チイキセイ ト ネンジ ヘンドウ
  • ―REGIONAL AND ANNUAL VARIATION OF IMPORTANT HERBACEOUS POLLEN ANTIGENS IN JAPAN―
  • ―我が国の重要な草本花粉抗原の地域性と年次変動―

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抄録

<p>【目的】1986年,厚生省はスギ花粉症対策の一環で,空中花粉調査を開始した.花粉症と花粉関連アレルギー疾患の効果的な治療・予防に役立てるために各地の木本に次いで草本花粉の長期調査結果を報告する.</p><p>【方法】20カ所以上の協力施設で1986年7月よりDurhamの花粉捕集器(重力法)を設置して空中花粉を採取した.当施設に郵送された検体をカルベラ液で染色し光学顕微鏡下で算定し,1cm2当りの花粉数に換算した.1年を便宜上,半年に分けて花粉捕集数をまとめ,同じ科の花粉でも1~6月に観測されたものを春咲き,7~12月を秋咲きとして集計した.</p><p>【結果】各地の草本花粉捕集総数は木本に比較して著しく少なく,平均73~651個/cm2/yearで相模原が最も多かった.スギ・ヒノキ科のような著しい年次変動はなく,イネ科,ブタクサ属が漸増傾向を示す地区があった.春咲きイネ科花粉が最も多く,平均捕集総数の30%を占めた.</p><p>【結論】鼻眼症状や口腔アレルギーなどの臨床症状が草本花粉に関連しているか検査する必要がある.花粉アレルギー患者の治療に空中花粉調査の重要性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 68 (10), 1221-1238, 2019

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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