歴史的木造建造物におけるチビケカツオブシムシの発生

DOI
  • 小峰 幸夫
    独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所保存科学研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Occurrence of <i>Trinodes rufescens</i> in historical wooden buildings

抄録

歴史的木造建造物におけるチビケカツオブシムシ(以下,本種と称する)の幼虫の生息場所,成虫の出現時期や食性を調査した.幼虫の生息場所については,石川県の歴史的木造建造物の本殿の縁にある勾欄の地覆と縁板との隙間16 箇所の堆積物を採取して,本種やその他のカツオブシムシ類の個体数を調査した.成虫の出現時期や食性については,千葉県にある複数の寺院における目視調査や羽化した本種の成虫の生態観察から過去の報告をふまえて考察を試みた.<br>その結果,幼虫や蛹,脱皮殻は堆積物中の丸まった枯葉の内部に見られることが多く,幼虫はこのような場所を好むと考えられた.成虫の出現時期は,4 月から7 月末ごろと推測された.また, 羽化した成虫が市販の鰹節の粉に集まったこと,千葉県の調査で甲虫類(ゴミムシ類)の死骸に集まっていたことなどから,成虫は昆虫やその他の生物の死骸を餌としていることが推察された.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390002184856634496
  • NII論文ID
    130007772909
  • DOI
    10.34348/urbanpest.8.2_45
  • ISSN
    2435015X
    21861498
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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