オクターブ錯聴の聴性定常応答による刺激呈示音の検討

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説明

<p>オクターブ錯聴とは,刺激音と異なる知覚をする音の錯覚(錯聴)の一種で,左右の耳に1オクターブ離れた2つの音を入れ替えながら呈示すると,高音と低音を片耳から交互に知覚する現象である.この現象は錯聴する人(錯聴者)と錯聴しない人(非錯聴者)が存在し,耳から入力された音情報を脳でどのように処理しているか明確になっていない.本研究は,MEGを用いてオクターブ錯聴における聴覚情報処理システムを聴性定常応答を計測することで可視化することを目的とした.そこで,1オクターブ差である2音(400Hzと800Hz)と,1オクターブ差ではなく素数である2音(401Hzと853Hz)に対し,覚醒時で聴性定常応答が発生しやすい40Hzに近い素数の変調周波数(37Hzと41Hz)で振幅変調した刺激音呈示時による聴性定常応答を計測した.測定した波形に対して聴覚野について信号源推定を行い聴性定常応答の振幅を評価した.その結果,錯聴者において1オクターブ差ではなくても片耳知覚による知覚耳への注意が見られた.この結果から,オクターブ錯聴を発生させる2つの音の周波数の関係が脳内で音階の高低が識別できるかどうかが重要である可能性が示唆される.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual57 (Abstract), S45_2-S45_2, 2019

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390002184858565376
  • NII論文ID
    130007776807
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual57.s45_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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