ベッド内蔵型心肺機能計測システムによる脊髄損傷患者の脈拍・呼吸変動性の長期的評価の試み

DOI

抄録

<p>脊髄損傷患者は長期的な療養が必要であり,その際には誤嚥などによる呼吸の安定性悪化,脈拍の変動への影響などを日々管理する必要がある.そこで本研究では,患者のベッドの褥瘡予防マット下に容量検知型圧力センサを設置,患者の脈拍や呼吸に伴う圧力変化を計測し,それぞれの変動性を解析するシステムの開発を行ってきた.今回これらデータをWi-Fiを通じて転送,クラウドサーバーに蓄積・自動解析,Webブラウザを用いて閲覧可能なシステムを院内に新たに構築し,患者を対象とした長期的な計測・評価を試みた.具体的には,35歳男性脊髄損傷患者(損傷レベル:C4/5)において,上記システムを2018年12月から設置し現在に至るまで,脈拍・呼吸信号の周波数帯域幅から,「脈拍・呼吸変動性」指標の解析を行った.その結果,呼吸器による統制から,自発呼吸に切り替えた場合に,各変動性が大きくなることが確認された.一方,これら指標は自発呼吸時におけるチェーンストークスや誤嚥などによる呼吸の不安定化,さらには脈拍変動をよく反映していることも判った.以上より,本法は脊髄損傷患者の心肺機能の管理支援や,日々のケア効果の把握に有効であると考えられる.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual57 (Abstract), S192_2-S192_2, 2019

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390002184858839552
  • NII論文ID
    130007776615
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual57.s192_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ