脱細胞化心膜の配向繊維構造を活かした細胞配列

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抄録

<p>生体軟組織においては、繊維の配向により特徴的力学特性を示し、また、繊維配向に沿った細胞配列にて細胞機能が十分に発現される。このことから、細胞足場として配向制御された繊維性材料が検討されている。一方、生体組織から細胞成分を除去した脱細胞化生体組織は高い生体適合性および機能性を有するため代替組織や細胞足場として注目されている。本研究では、配向繊維構造を有する生体組織として心膜に着目し、脱細胞化心膜の調製と脱細胞化心膜の細胞足場としての応用を検討した。ブタ心膜を用い、高静水圧法と界面活性剤法にて脱細胞化心膜を調製した。脱細胞化心膜の表面を走査型電子顕微鏡で観察した結果、繊維間の乱れ等もなく配向繊維構造が観察され、引張試験にて、弾性率、破断応力の差異は示されず、組織構造、力学特性を維持した脱細胞化心膜を調製できた。繊維芽細胞(NIH3H3)および筋芽細胞(C2C12)を脱細胞化心膜上に播種した結果、繊維配向に沿って伸展した細胞が観察され、数日間の培養後も配列性を維持しつつ細胞が増殖した。また、筋芽細胞を分化誘導した結果、筋管形成が示された。以上より、脱細胞化心膜の細胞配列足場としての可能性が示された。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual57 (Abstract), S270_1-S270_1, 2019

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390002184859024384
  • NII論文ID
    130007776868
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual57.s270_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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