施設栽培ニホンナシにおける「発芽不良」の現状および要因分析~福岡県の主要ニホンナシ産地である朝倉地域の事例~

書誌事項

タイトル別名
  • Phenological Observations and Factor Analysis of ‘Flowering Disorder’ in Japanese Pears Cultivated in Greenhouses in the Asakura Area, Fukuoka Prefecture
  • シセツ サイバイ ニホンナシ ニ オケル 「 ハツガ フリョウ 」 ノ ゲンジョウ オヨビ ヨウイン ブンセキ : フクオカケン ノ シュヨウ ニホンナシ サンチ デ アル アサクラ チイキ ノ ジレイ

この論文をさがす

抄録

<p>福岡県朝倉地域における施設栽培ニホンナシの発芽不良の特徴について2014年から2017年にかけて調査した.着果数の減少と果実品質の低下がみられた開花割合3割以下の樹を「発芽不良重症樹」と定義し,園全体の樹に対する発芽不良重症樹の割合を「重症樹率」として算出した.その結果,補助加温ハウスでは2016年が16.6%,無加温ハウスでは2017年が8.6%であり4年間で最も高かった.品種間で重症樹率を比べたところ,‘豊水’に比べ‘幸水’の方が有意に高かった.2016年の補助加温ハウス8園において,ビニル被覆開始日が遅い園ほど重症樹率が低く,自発休眠の覚醒時期の遅延が関与している可能性が示唆された.また,ビニル被覆後の日中の高温が発芽不良の発生を助長している可能性が示唆された.以上の結果から,発芽不良はビニル被覆開始時期と被覆後のハウス内の温度変化の影響が大きく,花芽の自発休眠が関与する可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 18 (4), 439-447, 2019

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ