ハムストリングス伸張性エクササイズ時の筋活動比較〜表面筋電図による評価〜

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抄録

<p>【目的】ハムストリングス肉離れにおいて、伸張性エクササイズが障害予防に有効であると報告されているが、ハムストリングス各筋に対してのトレーニング効果は不明なものが多い。本研究では伸張性エクササイズにおける大腿二頭筋長頭(BFl)と半腱様筋(ST)の筋活動を ①Extender(Ex)、②Diver(Di)、③Glider(Gl)、④Nordic Hamstrings(NH)、⑤Jackknife stretch(JK)計5種目にて比較した。</p><p>【方法】対象は健常男性20人20脚で、測定筋はBFlとST とした。測定肢は本人が片脚支持しやすい側とし、測定機器は表面筋電図(Noraxon社製MyoTrace400)を使用し各測定は1回を5秒間かけて5セット行った。解析区間は5秒間の内3秒間の筋活動とした。Danielsらの徒手筋力検査法に準じて測定したBFlとSTの筋活動を最大随意収縮(MVC)とし、各測定筋の値を正規化し%MVC を算出した。検討項目はBFlとSTの%MVCとした。統計学的解析にはR2.8.1(CRAN,fleeware)を使用し対応のないt検定もしくはMann-Whitny’s U検定を用いBFl とSTを比較した。有意水準は5%とした。</p><p>【倫理的配慮】本研究はヘルシンキ宣言に基づき実施した。また当院倫理委員会の承認を得て、被験者に研究の意義・目的について十分に説明し同意を得た後に実施した。</p><p>【結果】Ex、Di、JKにおいてBFlが有意に高値な筋活動を認め(Ex:p<0.001、Di:p=0.003、JK:p=0.002)、Gl、NHにおいては有意な差を認めなかった(Gl:p=0.06、NH:p=0.6)。</p><p>【考察】荒木らは6週間のNHのトレーニング効果はハムストリングス個々の筋で異なり、特にSTへの効果が顕著であったと報告しているが、本研究ではNHに有意差は認めなかった。一方Ex、Di、JKにおいてBFlの活動が高くみられた。本研究の結果から、股関節肢位の変化がBFlとSTの筋活動に影響する可能性が考えられた。</p><p>【まとめ】トレーニングの種目間において筋活動に差がみられた。</p>

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  • CRID
    1390002184860791296
  • NII論文ID
    130007779653
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.38.0_o-075
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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