距離判断障害と自己身体定位障害により着座障害を呈したと考えられる 1 症例

  • 大高 明夫
    和歌山県立医科大学附属病院紀北分院 リハビリテーション科
  • 隅谷 政
    和歌山県立医科大学附属病院紀北分院 リハビリテーション科
  • 平山 和美
    山形県立保健医療大学 作業療法学科

書誌事項

タイトル別名
  • Sitting Disability Due to Impaired Distance Judgment and Disability of Body Orientation : A Case Report

抄録

<p>  右の側頭葉内側面と, 両側の前頭頭頂葉上部および後頭葉の梗塞後に, 着座の障害を呈した症例を報告する。本例の着座障害の特徴は椅子の手前に座ってしまい, 座るときの体の向きが決められた正しい方向からずれることであった。手前に座る症状は, 食器の手前や奥をつかむ誤り, 奥行き推定の誤り, 「距離感がわかりにくい」という内観から, 距離判断障害によると考えられた。座る方向のずれは, 座った後の自発的な修正, 本人の体の一部と外界の手がかりとを合わせる代償が有効であったこと, 「どのように座っていいのかわからない」という内観から, 自己身体定位障害によると考えられた。着座障害は, 平行棒や車椅子のフットサポートやアームサポートを使用すると改善した。手がかりとなるフットサポート, アームサポートを順次減らす方法でリハビリテーションを行った。それに伴い, 他の種類の椅子への着座も改善した。</p>

収録刊行物

参考文献 (1)*注記

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