北部九州・博多湾周辺に分布する白亜紀花崗閃緑岩類のP-T条件とそれらの貫入関係への制約

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Pressure-temperature estimation of Cretaceous granodiorites emplaced around Hakata Bay, northern Kyushu, and considering about relations of their emplacement.

抄録

博多湾周辺には糸島花崗閃緑岩・北崎花崗閃緑岩(トーナル岩)・志賀島花崗閃緑岩が、早良花崗岩などの花崗岩類とともに存在しており、それぞれの貫入関係を詳細に観察することが出来る。これらの花崗岩類、特に比較的同時期に活動した花崗閃緑岩類について、構成鉱物について化学組成を求め、温度・圧力条件を見積もり、その貫入した状況について検討した。<br> 糸島半島に産する糸島花崗閃緑岩は、角閃石温度計で700℃前後を示し、複数の圧力見積で1.6~2.7kbarを示した。一方、北崎花崗閃緑岩は730℃前後を示し、2.5~3.6kbarの圧力が見積られた。その北崎花崗閃緑岩に貫入する志賀島花崗閃緑岩は、主要な産地で、650~690℃・1.3~2.7kbarの温度・圧力が見積られた。志賀島花崗閃緑岩が北崎花崗閃緑岩に貫入する産状を考慮すると、北崎花崗閃緑岩が生成して浅所に浮上した後に、志賀島花崗閃緑岩に貫入され現在に至ることが考えられる。また、糸島花崗閃緑岩と北崎花崗閃緑岩とではほぼ同時代の活動を示すことを考えると、同時代の深所に北崎花崗閃緑岩が、浅所に糸島花崗閃緑岩が貫入していたことが想像される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390002184862688000
  • NII論文ID
    130007785476
  • DOI
    10.14824/jakoka.2016.0_183
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ