福岡城上之橋御門石垣に用いられた石材の岩石記載、および石材産地についての考察

書誌事項

タイトル別名
  • Petrography of building stones used for a stone-wall of the Kami-no-hashi Gateway of Fukuoka Castle, and considerations of their origins.

説明

福岡城は広大な縄張りを有する城郭で、資材の供給源も時期によって変化したと考えられる。それゆえ、資材の供給場所を判定することは、築城履歴の詳細を解明する基礎資料となる。福岡城上之橋御門石垣に用いられていた石材は、深成岩、特に優白色花崗岩類が多く、灰色花崗岩類や閃緑岩・斑れい岩類も含まれ、若干量の玄武岩や蛇紋岩、礫岩・砂岩・珪化木を伴う。優白色花崗閃緑岩は、淡桃色粗粒カリ長石を斑状に含むことが多かった。岩石学的に詳細を解析できた石材試料としては、普通角閃石-黒雲母花崗閃緑岩・アダメロ岩が多く、次いで普通角閃石-石英閃緑岩に分類される深成岩が多かった。これらの化学組成的特徴は、志賀島花崗閃緑岩・志賀島塩基性深成岩と一致した。また、玄武岩や蛇紋岩を伴うことから、上之橋御門普請に際しては、博多湾口の糸島半島宮浦からその南側にかけての礫浜、そして志賀島を主な石材供給地としたと考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390002184862810368
  • NII論文ID
    130007785231
  • DOI
    10.14824/jakoka.2015.0_187
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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