肺癌との鑑別に苦慮した肺ヒストプラズマ症の1切除例

DOI Web Site 参考文献5件 オープンアクセス
  • 光井 卓
    神戸大学大学院医学研究科外科学講座呼吸器外科学分野
  • 清水 奈保子
    神戸大学大学院医学研究科外科学講座呼吸器外科学分野
  • 田中 雄悟
    神戸大学大学院医学研究科外科学講座呼吸器外科学分野
  • 大路 剛
    神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野
  • 亀井 克彦
    千葉大学真菌医学研究センター
  • 眞庭 謙昌
    神戸大学大学院医学研究科外科学講座呼吸器外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Pulmonary histoplasmosis is difficult to differentiate from lung cancer

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説明

<p>症例は46歳女性.中米を拠点として中南米で勤務している.健診で胸部異常陰影を指摘され,CT検査で右肺下葉に辺縁明瞭な2 cmの小結節が認められた.現地でCTガイド下生検術を施行されるも悪性所見は認めず,抗酸菌,真菌の感染所見も認めなかった.精査目的で帰国後,前医で気管支鏡検査を施行されるも壊死のみで診断がつかず,肺生検目的で当科に紹介となった.胸腔鏡下右下葉部分切除術を施行し,術中迅速検査にて悪性所見は認めず,炎症性肉芽腫の診断であった.検体は黄白色調,凝固壊死を伴った類上皮肉芽腫であり,病理診断では抗酸菌染色は陰性,Grocott染色で類円形,楕円形の酵母様真菌が認められた.術後血清H. capsulatum陽性を確認し,肺ヒストプラズマ症と診断した.免疫正常者であり,無症状であることからIDSAガイドラインに則り,経過観察となった.術後20ヵ月現在,感染の再燃なく経過している.</p>

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