量子相転移と量子臨界の科学 (解説)

書誌事項

タイトル別名
  • Science of Quantum Phase Transitions and Quantum Criticalities
  • 量子相転移と量子臨界の科学
  • リョウシ ソウ テンイ ト リョウシ リンカイ ノ カガク

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説明

熱ゆらぎによって生じるお馴染みの相転移と対照的に,量子ゆらぎが生む量子相転移には特有の機構があり,臨界現象に反映する.量子相転移には熱ゆらぎによる相転移と共通な機構-自発的な対称性の破れ-に起因するものもあるが,その場合でも量子力学固有のゆらぎを伴い新たな様相も生じる.一方,量子相転移にはそれだけでなく,トポロジーの変化に起因するものがあり,固有な性格を持つ.さらにこの両者が結びつく機構が最近見出された.一次相転移や相分離,多相共存相からの浸み出し効果も特異な量子臨界を生む.新奇な量子臨界構造の理解は,磁性,超伝導,強誘電,金属-絶縁体,さらには未知の量子相などの近年の活発な量子相・量子相転移研究とその機能探索の基礎となる.

収録刊行物

  • 日本物理学会誌

    日本物理学会誌 66 (2), 88-96, 2011-02-05

    一般社団法人 日本物理学会

参考文献 (57)*注記

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