香取良範による算術科カリキュラムの構成原理に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of the Constructive Principles of the New Mathematics Curriculum Developed by Katori Yoshinori
  • 香取良範による算術科カリキュラムの構成原理に関する研究 : 「算術教育要目」の検討を通して
  • カトリ リョウハン ニ ヨル サンジュツカ カリキュラム ノ コウセイ ゲンリ ニ カンスル ケンキュウ : 「 サンジュツ キョウイク ヨウモク 」 ノ ケントウ オ トオシテ
  • ―「 算術教育要目」の検討を通して ―

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説明

生活算術実践家として著名な成蹊小学校の香取良範は,篠原教育学に基づいた独自の算術教育論を背景に尋一から尋六までの「算術教育要目」を作成した。これは近代的な算術教育を目指し黒表紙教科書の課題解決を求めた生活算術運動で行われた児童の現実生活を重視した様々な取組みを経て,黒表紙教科書のカリキュラムとの融合調和をはかった生活算術実践家の一人としての香取の現実的解答である。算術科における新教育運動の現れである生活算術運動が後期にはすでに一部で一般性を目指した段階に進んでいたことを示したものといえる。教師主体の教授から児童の主体性に着眼した学習へと移行する算術教育観の価値観の変容が算術科のカリキュラム構成に与えた影響は大きい。香取は,生活算術運動を通して得た算術教育観と黒表紙教科書の国定カリキュラムとの間で自身の算術教育観を模索した結果,双方の調和を図った移行期カリキュラムを構成することに成功している。

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