布の水移動特性に関する教育内容開発「湿気の通しやすさ」

書誌事項

タイトル別名
  • Developing Learning Content Concerning Water Vapor Permeability of Fabrics
  • 布の水移動特性に関する教育内容開発「湿気の通しやすさ」 : ESD(持続発展教育)を視点とした家庭科教育内容開発研究
  • ヌノ ノ ミズ イドウ トクセイ ニ カンスル キョウイク ナイヨウ カイハツ 「 シッケ ノ トオシ ヤスサ 」 : ESD(ジゾク ハッテン キョウイク)オ シテン ト シタ カテイカ キョウイク ナイヨウ カイハツ ケンキュウ
  • ― Designing Home Economics Curriculum Based on ESD ―
  • ― ESD(持続発展教育)を視点とした家庭科教育内容開発研究 ―

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抄録

小学校家庭科衣生活領域で指導する日常着の快適な着方について,前報では,被服学の視点から,着用状態における衣服の快適性を定義し,衣服の生理的快適性として,衣服内気候,衣服圧,肌ざわりが要因となることを示した。このうち,肌ざわりについて教育内容を開発した。本研究では,前報に続いて,衣服内気候の要素である衣服の湿潤感について,「布の湿気の通しやすさ」の教育内容を開発した。衣服の素材となる布の性質によって,湿気の通しやすさが異なる事実を,児童が発見できるよう,透湿度試験(JIS L1099; A-2法,2012)を基に実験を開発し,授業化を示唆するものである。実験結果は,布を構成する繊維の化学的性質や,繊維の集合体としての性質が,水蒸気の吸湿量や透湿量に関係することが理解できるものであった。蒸れを感じる定性試験と併せて,児童が体験的・実践的に学ぶことにより,自分と衣服との関係を科学的に捉え,着用目的や環境条件に合わせて,衣服の快適な着方を意思決定することができるものと期待される。子どもたちが持続可能な衣生活を構築していくために必要な基礎的な知識として,何をどのように着るのか衣服の着方に関して,持続性ならびに科学的な視点をもった意思決定が可能となる教育内容を提案することができた。

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