高齢出所者の地域定着に向けた支援の構造と課題――地域生活定着支援センター職員の語りの分析から――

  • 篠崎 ひかる
    首都大学東京大学院人文科学研究科(博士後期課程)

書誌事項

タイトル別名
  • Support Needs of Elderly Prisoners Re-entering the Community: Interviews with Staff of Regional Sustained Community Life Support Centers for Elderly and Disabled Ex-offenders
  • コウレイ シュッショシャ ノ チイキ テイチャク ニ ムケタ シエン ノ コウゾウ ト カダイ : チイキ セイカツ テイチャク シエン センター ショクイン ノ カタリ ノ ブンセキ カラ

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説明

<p>わが国では,高齢犯罪者の再犯率が他世代と比べ高水準にあり,罪を犯した高齢者への支援充実が喫緊の課題となっている.そこで本稿では,高齢者等の福祉的ニーズを有する矯正施設退所者等に対し,地域生活のコーディネートを行う地域生活定着支援センター職員へのインタビュー調査を実施し,Mayringの質的内容分析の手法に基づいて,高齢出所者支援における課題を分析した.調査の結果から,高齢出所者支援における課題は,【出所前後の社会資源の調整に関連する課題】,【居宅生活を送る対象者を継続的に支援する社会資源の不足】,【対象者に関する課題】の三つに集約され,従来から着目されてきた要介護状態の対象者への支援の問題だけではなく,要支援・要介護に該当しないながらも,日中活動の支援や相談相手の確保といった何かしらの生活支援を必要とする高齢対象者の利用できる社会資源が不足していることが明らかになった.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 60 (2), 53-66, 2019-08-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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