「人間関係」「場」「意識」「内容」「形式」に言及するメタ言語表現から読み取れる表現主体の待遇意識

書誌事項

タイトル別名
  • The Taigu Consciousness of Subject Expression Viewed from Metalingual Phrases Relating to “Human relations” “Place” “Consciousness” “Content” and “Form”
  • 「 ニンゲン カンケイ 」 「 バ 」 「 イシキ 」 「 ナイヨウ 」 「 ケイシキ 」 ニ ゲンキュウ スル メタ ゲンゴ ヒョウゲン カラ ヨミトレル ヒョウゲン シュタイ ノ タイグウ イシキ

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抄録

<p>メタ言語表現の使用と選択は、「待遇意識の表れるところ」(杉戸1983,p.38)である。本稿では、日本語教育の観点から、学習者の待遇意識の向上を目指して、「人間関係」「場」「意識」「内容」「形式」及びその組み合わせに言及するメタ言語表現を取り上げ、読み取れる表現主体の待遇意識を探った。</p><p>「人間関係」への言及として、「私、友達として言う。」、「先輩だけに言っちゃいますけどね、」など、「場」への言及として、「これ終わったら、話あるんで、外、付き合ってもらっていいんですか。」など、「意識」への言及として、「恩着せがましく言うつもりじゃないけどもね、」など、「内容」への言及として、「私ごとでございますが、」など、「形式」への言及として、「餌?餌ということばはよくないですね。」など、組み合わせへの言及として、「今日はさ、せっかくこうやってみんな集まったから、特別に俺がボクシングをやってる理由を教えてやるよ。」などを取り上げ、メタ言語表現の使用される文脈を明らかにした上で、読み取れる待遇意識について記述分析を試みた。</p><p>本稿の結論として、以下の5点が得られた。①メタ言語表現は抽象度の高い待遇意識を具体的に示すことができ、待遇意識の向上に繋がる有効且つ重要な学習項目である。②「人間関係」「場」「意識」「内容」「形式」のどれか一つだけに言及するメタ言語表現であっても、コミュニケーションの全体を意識し、その連動関係の中から待遇意識を捉える必要がある。③本稿で提示した用例を基本として、より多様なメタ言語表現を学習することによって、待遇意識のさらなる向上が期待できる。④学習する際に、メタ言語表現の使用された文脈をおさえる必要がある。⑤なぜ「人間関係」「場」「意識」「内容」「形式」に言及するのかを考えることで、これらの枠組みに対する気づきが促され、待遇意識に対する認識と理解の向上に結び付くだろう。</p>

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