骨髄線維症におけるfibrocyte

書誌事項

タイトル別名
  • The role of fibrocytes in myelofibrosis and fibrocyte regulation as a novel treatment approach
  • 骨髄線維症におけるfibrocyte : その役割と制御による新規治療へのアプローチ
  • コツズイ センイショウ ニ オケル fibrocyte : ソノ ヤクワリ ト セイギョ ニ ヨル シンキ チリョウ エ ノ アプローチ
  • —その役割と制御による新規治療へのアプローチ—

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抄録

<p>Fibrocyteは単球系細胞から分化するfibroblast様の形態と機能を持つ血球系の細胞である。Fibrocyteは様々な線維化疾患との関連が報告されており,serum amyloid Pによるfibrocyteの分化抑制は線維化を軽減する。原発性骨髄線維症患者の骨髄中でも腫瘍化したfibrocyteの増生が認められており,モデルマウスにおけるfibrocyteの除去が脾腫や骨髄線維化を軽減することから,病態への関与が示唆されている。また,fibrocyteは細胞表面にSLAMF7抗原を高発現しており,線維化を伴うJAK2V617F陽性骨髄増殖性疾患患者では末梢血中のSLAMF7高発現単球が増加している。この分画は高いJAK2V617F allele burdenとfibrocyteへの分化傾向を示すことから,fibrocyteの前駆細胞と考えられる。さらに,抗SLAMF7抗体のelotuzumabはin vitroおよびin vivoでfibrocyteの分化を抑制し,骨髄線維症の症状を軽減することから,抗線維化治療薬としての開発が期待される。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 61 (1), 3-10, 2020

    一般社団法人 日本血液学会

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