瀬戸内海における栄養塩濃度管理法

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タイトル別名
  • Management of Nutrients Concentrations in the Seto Inland Sea
  • セトナイカイ ニ オケル エイヨウエン ノウド カンリホウ

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抄録

水質総量削減によって,瀬戸内海への窒素およびリンの陸域負荷は1980年代と比較してそれぞれ40%,61%減少したが,この減少量に対応した基礎生産量の減少は瀬戸内海全面積の約6%にすぎないChl. a 濃度が10μg l-1以上の海域で起こっていた.一方,瀬戸内海全面積の約94%を占めるChl. a 濃度が10μg l-1以下の海域での減少は約14%に過ぎなかった.陸域からの栄養塩負荷が削減された現在でも,淡水流入を通じて自然由来を含めて陸域から栄養塩が負荷され,成層強度が強い海域では,夏季Chl. a 濃度が10μg l-1を超える海域が存在する.このような海域の環境改善策として,植物プランクトンの過剰な増殖とほぼ同時期に繁茂期を迎えるアマモによる春季から夏季の栄養塩吸収について検討し,その有効性を確認した.

収録刊行物

  • 沿岸海洋研究

    沿岸海洋研究 56 (1), 13-19, 2018

    日本海洋学会 沿岸海洋研究会

被引用文献 (1)*注記

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