術前診断に難渋した小児大網内副脾捻転の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Pediatric Case of Accessory Spleen Torsion
  • 症例報告 術前診断に難渋した小児大網内副脾捻転の1例
  • ショウレイ ホウコク ジュツゼン シンダン ニ ナンジュウ シタ ショウニダイモウ ナイ フクヒネンテン ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

<p>副脾の発生頻度は剖検例の10~30%とされ,ほとんどは無症状で経過する.今回,腹腔内腫瘤の診断で開腹手術を施行し,術中に副脾捻転と診断した1例を経験した.症例は7歳,男児.左上腹部痛を主訴に前医を受診し,左上腹部腫瘤にて当科へ紹介となった.超音波検査では血流の乏しい充実性腫瘤を認め,造影CT検査では径6 cmで腫瘤内部は造影効果に乏しく,MRI検査ではT1強調画像で低信号,T2強調画像で等信号を示した.腹部腫瘤の診断のもと,開腹手術を施行した.腹腔内に,約6×7 cmの黒褐色で弾性硬な腫瘤を認めた.腫瘤の一部に大網と小腸が癒着しており,捻れた栄養血管を認め,これを結紮切離して,腫瘤を摘出した.摘出標本の病理組織診断と併せ,副脾捻転による副脾梗塞と診断した.術後経過は良好で術後10日で退院となった.小児の副脾捻転は術前診断が困難なことが多く,腹痛の鑑別診断として考慮するべきであると考えられた.</p>

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ