直鎖状ユビキチン鎖の神経変性疾患への関与とLUBAC阻害剤の開発

書誌事項

タイトル別名
  • Involvement of linear ubiquitination in neurodegenerative diseases and development of LUBAC inhibitors
  • チョクサジョウ ユビキチン サ ノ シンケイ ヘンセイ シッカン エ ノ カンヨ ト LUBAC ソガイザイ ノ カイハツ

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説明

ユビキチンのN末端を介して形成される非定型型の直鎖状ユビキチン鎖は,炎症・免疫シグナル応答や細胞死を制御し,その生成を特異的に担うLUBACユビキチンリガーゼの機能不全は多くの疾患発症に関わる.筆者らは家族性筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因遺伝子の一つであるオプチニューリン(OPTN)やアルツハイマー病タウタンパク質の細胞機能解析から,LUBACによる直鎖状ユビキチン鎖生成が異常タンパク質封入体形成,神経炎症・細胞死の亢進に寄与することを見いだした.さらに,新規治療薬創出を最終目的としてLUBACに対する阻害剤の探索を行い,細胞毒性が低くLUBAC特異性の高い新規化合物(HOIPINs)を見いだした.本稿では,筆者らの研究を中心に国内外の動向を交えて,これらの知見を紹介したい.

収録刊行物

  • 生化学

    生化学 92 (1), 28-34, 2020-02-25

    公益社団法人日本生化学会

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