産次変量回帰モデルを用いた生存産子数の遺伝的パラメータの推定

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  • Estimates of Genetic Parameters for Number Born Alive using a Random Regression Model with Considered Parities
  • サンジ ヘンリョウ カイキ モデル オ モチイタ セイゾン サンコスウ ノ イデンテキ パラメータ ノ スイテイ

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抄録

<p>生存産子数は母豚の生産持続性を改良する上で最も重要な形質の1つであることから,最適な統計モデルで解析する必要がある。このため,生存産子数について,産次を共変量とし,LEGENDRE多項式に異なる次数を当てはめた産次変量回帰モデル(RRM)を用いた遺伝的パラメータの推定を試みるとともに,生存産子数の育種価評価に一般的に利用されているモデル[単形質モデル(STM),反復記録モデル(RPM)および多形質モデル(MTM)]による結果と比較検討した。分析に用いたデータは豚遺伝的能力評価により収集されるランドレース種(L種)および大ヨークシャー種(W種)の1∼6産目までの生産頭数の成績(それぞれ55,857件および34,024件)および血統記録(それぞれ11,035頭および6,722頭)である。RRMは,農家を母数効果としたモデル(RRM1)と農家×産次を母数効果としたモデル(RRM2)の2種類を検討した。また,どちらのモデルも相加的遺伝効果(A)および恒久的環境効果(PE)に,産次に対する切片,1次および2次のLEGENDRE多項式をあてはめた。推定された各産次の分散成分の推移は,両品種ともRRM1よりもRRM2の方が全産次を通じて滑らかな推移を示し,MTMから得られた推移に近似した。さらに,遺伝率や遺伝相関もRRM1よりRRM2の方がMTMに近似した。各産次の分散成分の推移と固有値の寄与率から,両品種ともAは2次項まで,PEは1次項(L種)および2次項(W種)までをLEGENDRE多項式に当てはめるのが妥当であることが確認された。また,RRM2では,固有値の寄与率から生存産子数の遺伝的な変動は切片で約90∼92%説明でき,1次項以降の遺伝曲線によって,約8∼10%を産次毎の遺伝的な変動として説明できることが示唆された。</p>

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参考文献 (11)*注記

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