ビス(メトキシメチル)ビフェニルを用いた ノボラック樹脂の合成と性質:

書誌事項

タイトル別名
  • Synthesis and Properties of Bisphenol A - Bis(methoxymethyl)biphenyl Novolac Resin:
  • ビス(メトキシメチル)ビフェニルを用いたノボラック樹脂の合成と性質 : ビスフェノール類に着眼した柔軟性をもつフォトレジスト材の開発
  • ビス(メトキシメチル)ビフェニル オ モチイタ ノボラック ジュシ ノ ゴウセイ ト セイシツ : ビスフェノールルイ ニ チャクガン シタ ジュウナンセイ オ モツ フォトレジストザイ ノ カイハツ
  • Development of Photo-resist Material Having Flexibility Noticed with Bisphenol unit
  • ビスフェノール類に着眼した柔軟性をもつフォトレジスト材の開発

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抄録

<p>ポジ型フォトレジスト材を用いたドライフィルムを作製できるようになれば,新たなニーズの展開が期待できる。著者らは柔軟性をもつレジスト用ノボラック樹脂の開発を試みる中で,フェノール(PhOH)成分として分子鎖骨格に嵩高いイソプロピリデン基をもつビスフェノールA(BisA)を導入したノボラック樹脂は,クレゾー ル(Cre)ノボラック樹脂に比べ,遙かに高い柔軟性を発現することを見出した。本稿ではコモノマーとして4,4’ビス(メトキシメチル)ビフェニル(BMMB)を用いたBisA/BMMB ノボラック樹脂,およびこのPhOH 成分にピロガロール(PY)を添加した(BisA/PY)/BMMB ノボラック樹脂をそれぞれ合成して検討した。BMMB を用いた際も,重縮合反応を介して連鎖長が伸長していることをTOF-MASS 測定により確認した。そして,仕込み組成のBMMB成分増加に伴ってMw が増加し,アルカリ水溶解速度(DR)は減少した。BisA/BMMBと(BisA/PY)/BMMB ノボラック樹脂の最大Mw は,それぞれ2000 と7200 であった。得られた樹脂の中から,DR <500 Å/sec を満たすものを選出し,これらをポリイミドフィルム上に膜厚5 μm に塗布した試料を折り曲げ,折り曲げ面の樹脂の飛散状態から柔軟性を評価した。この結果,ノボラック樹脂の柔軟性はPY/BMMB >(BisA/PY)/BMMB >> BisA/BMMB の順であった。描画性能は,シリコンウェハ上に樹脂膜厚1.5 μm となるように塗布し,レジストパターンを作成して評価した。高い柔軟性を示したPY/BMMB ノボラック樹脂の残膜率は81%に留まった。従って,本研究で柔軟性と微細描画能の両者が総合的に優れていたものは,(BisA/PY)/BMMB ノボラック樹脂であり,この樹脂はCre ノボラック樹脂よりも高い柔軟性と,高い描画能(残膜率:100%,描画能:4.0 μm 以下)を示した。</p>

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