宮城県における殻付きマガキの直接販売導入による投資の経済性評価

  • 桟敷 孝浩
    国立研究開発法人水産研究・教育機構中央水産研究所
  • 呂 昱姮
    国立研究開発法人水産研究・教育機構中央水産研究所 東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 髙橋 秀行
    国立研究開発法人水産研究・教育機構水産工学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Economic evaluations of introducing the direct sales of oysters <I>Crassostrea gigas</I> with shells in Miyagi Prefecture
  • 宮城県における殼付きマガキの直接販売導入による投資の経済性評価
  • ミヤギケン ニ オケル カラツキ マガキ ノ チョクセツ ハンバイ ドウニュウ ニ ヨル トウシ ノ ケイザイセイ ヒョウカ

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抄録

殻付きマガキ Crassostrea gigas の直接販売導入は,マガキのむき身作業を減らすことで身体負担を軽減させるとともに,高収益化による経営改善が期待される。本稿では,宮城県の養殖業者(年間生産量23,300 kg(殻付き換算))を対象として,殻付きカキ洗浄機への投資に見合う利益を上げるための殻付きマガキ直接販売量を,NPV(Net Present Value)法を適用して明らかにした。分析の結果,直接販売量を4,600 kg 以上にすべきことが明らかとなった。つまり,調査対象の養殖業者では,1箱当たり約4.4 kg の殻付きマガキを直接販売する9ヵ月間に,毎月平均で約117箱販売する必要がある。本格的に殻付きマガキを直接販売するには,むき身マガキ出荷を主体としつつ,直接販売する顧客の獲得を図ることや,養殖業者間で殻付きカキ洗浄機を共同購入し投資額を下げることが,重要と考えられる。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 67 (1), 85-90, 2019

    日本水産増殖学会

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