ホンモロコにおける生殖巣の形成および減数分裂前の生殖細胞の増殖

  • 小林 徹
    Laboratory for Aquatic Biology, Graduate School of Agriculture, Kindai University
  • 芦田 裕史
    Laboratory for Aquatic Biology, Graduate School of Agriculture, Kindai University Present address: Okinawa Churaumi Aquarium

書誌事項

タイトル別名
  • Gonad formation and pre-meiotic proliferation of gonocytes in the Japanese willow minnow <I>Gnathopogon caerulescens</I>
  • Gonad formation and pre-meiotic proliferation of gonocytes in the Japanese willow minnow Gnathopogon caerulescens

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抄録

ホンモロコの発育初期(孵化直後~50日齢)における生殖巣形成と性分化を調べた。孵化直後では,始原生殖細胞(PGC)は生殖隆起が形成される前に肝膵臓の後端背側,腹膜の下層に到達していた。5 dph では,間質細胞が PGC の近くに集まり始めた。その後15 dph まで,間質細胞は PGC の周りで増殖し,生殖巣原基を形成した。生殖細胞の数は20 dph までの期間,すべての個体において15〜20個とほぼ一定であったが,このうち約半数の魚では生殖細胞が活発に増殖しはじめ,そののち減数分裂に移行した。 40 dph までに,これらの魚のいくつかの生殖細胞の数は1200を超え,50 dph では卵巣腔が明瞭になった。この分化を受けなかった魚はおよそ30 dph で輸精管を形成し,50 dph まで60-80個の生殖細胞を維持した。30 dph において生殖細胞数が急激に多くなった個体は雌になり,少ない生殖細胞数を維持した個体が雄に分化した。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 67 (1), 9-17, 2019

    日本水産増殖学会

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