屋久島西部低地林における過去20年間の野生ニホンザルの個体数変動
-
- 杉浦 秀樹
- 京都大・野生動物
-
- 早川 祥子
- 京都大・霊長研
-
- 栗原 洋介
- 静岡大・農
-
- 香田 啓貴
- 京都大・霊長研
-
- 鈴木 真理子
- 鹿子島大・国際島嶼教育研究セ
-
- 菅谷 和沙
- 神戸学院大・人間文化
-
- 藤田 志歩
- 鹿児島大・共通教育セ
-
- 田伏 良幸
- 京都大・理
-
- 川添 達朗
- 中山大・社会学人類学院
-
- 田中 俊明
- 梅光学院大・子ども
-
- Macintosh Andrew
- 京都大・霊長研
-
- 清野 未恵子
- 神戸大・人間発達環境
-
- 大谷 洋介
- 大阪大・COデザインセンター
-
- 室山 泰之
- 東洋大・経営
-
- 西川 真理
- 東京大・新領域
-
- 持田 浩治
- 慶応大・生物
-
- 半沢 真帆
- 京都大・理
-
- 澤田 晶子
- 中部大・創発学術院
-
- Bonaventura Majolo
- School of Psychology, University of Lincoln
-
- Hernandez Alexander D.
- Dept. Biology, Kutztown University
-
- 原澤 牧子
- 京都大・野生動物
書誌事項
- タイトル別名
-
- Population dybamics of wild Japanese macaques in the past 20 years in the western lowland forest in Yakushima Island
抄録
<p>屋久島西部の低地林では,野生のヤクシマザルが数多く生息しており,1970年代より長期継続調査が行われている。この地域は,国立公園特別保護地域などに指定されており,1970年代から狩猟は行われておらず,林道の整備を除けば,人為的な植生の改変もない。1999年~2018年の群れの個体数の情報を元に,この地域のヤクシマザル8群の個体数の変動を比較した。集中的な調査をしている群れについては,できるだけ8月に近い時点の個体数を分析した。また,毎年の頭数調査によって頭数を数えている群れについては,7-8月の個体数を分析した。北部地域では,群れの消滅や頭数の減少が観察された。一方,中央部の群れでは,個体数の増加や群れの分裂が観察された。出産率は,北部の群れで低く中央部の群れで高かった。これは北部での頭数の減少と,中央部での頭数の増加とも一致する。いくつかの群れでは,中央部から北部へ,群れの行動域が徐々に移っていった。これは,中央部で増加し,おそらく個体密度が増え,より個体密度の低い北部に群れが移動した可能性が考えられる。中央部と北部の違いが生じている原因の一つとして,森林の伐採歴の違い指摘できるだろう。中央部は1940年台までにかなり大規模の伐採が行われたことが分かっている。北部でも伐採はあったものの,中央部ほどには伐採されなかった。つまり,中央部の方がより若い森林であり,サルの食物が豊富な可能性があるのかもしれない。</p>
収録刊行物
-
- 霊長類研究 Supplement
-
霊長類研究 Supplement 35 (0), 60-61, 2019-07-01
日本霊長類学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390002184884702976
-
- NII論文ID
- 130007813519
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可