前頭葉機能障害を呈した前頭骨内板過骨症の1例

  • 齊之平 一隆
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科精神機能病学分野
  • 石塚 貴周
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科精神機能病学分野
  • 田畑 健太郎
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科精神機能病学分野
  • 横塚 紗永子
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科精神機能病学分野
  • 新井 薫
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科精神機能病学分野
  • 塩川 奈理
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科精神機能病学分野
  • 春日井 基文
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科精神機能病学分野
  • 中村 雅之
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科精神機能病学分野
  • 佐野 輝
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科精神機能病学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Hyperostosis Frontalis Interna with Frontal Lobe Dysfunction
  • ゼントウ ヨウ キノウ ショウガイ オ テイシタ ゼン トウコツ ナイバン カホネショウ ノ 1レイ

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説明

<p> 前頭骨内板過骨症(Hyperostosis frontalis interna: HFI)は前頭骨に限局した結節性の過骨性変化を特徴とする疾患である。今回,前頭葉機能障害を中心とした認知機能低下とHFIを有する症例を経験したので報告する。症例は80代女性。物忘れや脱抑制的言動が目立つようになり認知症の鑑別と治療目的に入院した。Mini Mental State Examinationは28/30点と保たれていたが,Frontal assessment batteryをはじめとする前頭葉機能検査では顕著な障害を認めた。頭部CTやMRIにおいて前頭骨に限局した結節性の過骨性変化と軽度の頭頂葉の萎縮や両側側脳室下角の開大を認め,大脳白質にはT2延長領域を認めた。また,AD index(tau×Aβ40/42)が11697と高値を示し,血管性の病変に加え,アルツハイマー病理の存在も示唆された。本症例における認知機能障害は複数の病態による影響が考えられたが,前頭葉機能障害の重要な原因としてHFIが強く示唆された。</p>

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