地理学習におけるシステムの観点

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  • 阪上 弘彬
    兵庫教育大学教員養成・研修高度化センター

書誌事項

タイトル別名
  • Systems Thinking in Geography Learning: Analysis of Japan’s New Course of Study and Associated Documents
  • 地理学習におけるシステムの観点 : 新学習指導要領等の検討から
  • チリ ガクシュウ ニ オケル システム ノ カンテン : シン ガクシュウ シドウ ヨウリョウ トウ ノ ケントウ カラ
  • ――新学習指導要領等の検討から――

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抄録

<p>本稿は,新学習指導要領における「地理総合」を中心に,他国の地理カリキュラムおよびユネスコ等が示す国際的なESDに関する指針の検討を踏まえ,地理学習における「システム(思考)」の観点について報告するものである。</p><p>地理学習の目標として,「持続可能な社会づくりの担い手づくり」を視野に入れ,地理的事象を人文と自然の観点からシステム的に捉える地理学習が目指されている。さらに,ESDへの取り組みを視野に入れた場合,システム思考の育成も同時に学習目標に位置づけることができる。</p><p>上述の学習目標に対応した学習において学習内容の中心となるのが,自然システムと社会―経済システムに関するものである。そして,その理解に基づいた持続可能性に関する,あるいはSDGsに関連する諸問題の解決に向けた学習活動である。地理的な見方や考え方,その中でも人間と自然環境との相互依存関係,空間的相互依存作用に着目して地理的事象を捉えて,考察するという学習過程の中に,「システム(思考)」の観点が含まれていると考えられる。すなわち,システム思考の育成という学習目標からみた場合,地理学習の過程ではシステム思考を育み活用できる土壌があると考えられる。</p>

収録刊行物

  • 地理科学

    地理科学 74 (3), 107-115, 2019-10-28

    地理科学学会

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