肘窩での日常的な採血および静脈注射に関する正中神経と上腕動静脈の超音波解剖学的研究

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  • Ultrasound anatomical study of the median nerve and the brachial vessels during routine drawing blood and intravenous injection in the cubital fossa

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抄録

<p> 採血や静脈注射は肘窩で実施されることが多い。しかし、肘窩近傍の解剖学的記述の不明確さが原因で、神経や血管の損傷が頻繁に起こる。肘窩の安全領域を検討するため、超音波エコー装置を用いて、上腕骨内側上顆と外側上顆を結ぶヒューター線の中点から尺側に向かって正中神経(N)、上腕動脈(A)、上腕静脈(V)までの長さとその点からの深さを被験者428名(男性129名、女性299名)についてそれぞれ計測した。</p><p> 長さの解析では、N、A、Vはいずれも男性が女性より有意に大きいことが判明した。またNが最長のパターンは被験者全体の76.6%、Aは3.2%、Vは20.1%であった。深さには有意差は認めなかった。Nが最深のパターンは全体の75.9%、Aは10.3%、Vは13.8%であった。</p><p> 本研究から正中神経、上腕動静脈の位置関係が明らかになり、採血や静脈注射を行う医療従事者にとって有益な情報となる。</p>

収録刊行物

  • 保健医療福祉科学

    保健医療福祉科学 9 (0), 15-20, 2020-03-31

    埼玉県立大学保健医療福祉科学学会

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