日本の急性期病院での医療安全文化の検討

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  • Survey on patient safety culture at acute care hospitals in Japan using the Hospital Survey on Patient Safety Culture (HSOPS)
  • ニホン ノ キュウセイキ ビョウイン デノ イリョウ アンゼン ブンカ ノ ケントウ

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抄録

<p> 医療安全の確保には安全文化の醸成が重要である。本研究では、米国 Agency for Healthcare Research and Quality の開発した医療安全文化調査票を用いて、日本での導入可能性、日米での回答結果の検討を行った。医療安全文化の指標は12領域および病院全体の達成状況の合計44設問で構成されている。</p><p> 13病院9,867人を対象に調査を実施し6,399人(64.9%)の有効回答を得た。医療安全文化の肯定的評価の割合は、職種、病床規模、病院により異なることが明らかになった。領域別では、「部署内のチームワーク」が70.3%と最も高く、「出来事報告の頻度」が68.1%、「医療安全の促進に関わる上司の考え方と行動」が62.2%であった。職種別では、医師、看護師では事務に比較して高く評価する傾向にあった。医療安全の達成状況は、12領域中5領域と高い相関(相関係数0.8以上)、4領域とやや高い相関(相関係数0.6〜0.8)が認められた。病院別では、①多くの病院で達成されている領域、②病院間の差異が大きな領域、③多くの病院で達成されていない領域に分類された。また、米国と比較して自院の医療安全を低く評価する傾向が窺えた。</p><p> 本研究により、医療安全文化調査票は日本の急性期病院において導入が可能であること、医療安全の状況を示すことができることが示唆された。</p>

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