子ども自転車の出会い頭事故における頭部傷害の衝突部位による影響

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  • Influence of collision site on head injury in crossing accident of child bicycle

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自転車と自動車の衝突事故は、自転車乗員の被害が重篤になることが多い。また、統計データによると負傷者の3割が未成年者である。このようなことから、交通安全において子どもの自転車事故への安全対策が重大な課題の一つとなっている。本研究では、子どもの自転車事故の被害低減のために、実車を用いた衝突実験を行い、衝突部位による自転車乗員の挙動の違いと頭部傷害値の差について検討した。衝突実験は、ステーションワゴン型の普通自動車と子ども自転車の出会い頭事故を想定して実施した。子ども自転車は、6歳児ダミー人形(以下、ダミー)を乗車させたタイヤサイズ20inchの車両を使用した。自転車の衝突位置は、自動車前面の中央部分および側端部とした。自動車は自転車との衝突直前に制動を行った。自動車前面の中央部に自転車が衝突する場合には、肩や腕の緩衝作用によって頭部と自動車の衝突速度が低くなり、頭部傷害基準値(head injury criterion;HIC)が低くなった。自動車前面の側端部に自転車が衝突する場合には、衝突時にダミーの身体が回転し、後頭部が高剛性のエプロンレインフォースメントに接触するため高いHICの値を示した。路面との衝突によるHICの値は、ダミーがどのような姿勢で落下するかに大きく影響している。足部から落下した場合にはHICは低くなるが、頭部から落下した場合には非常に高いHICの値を示した。

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