遷延性低血糖の発症にグラルギン過誤投与が疑われた1型糖尿病の1例

  • 國崎 哲
    久留米大学医学部糖尿病性血管合併症病態・治療学

書誌事項

タイトル別名
  • A case of type 1 diabetes mellitus who developed prolonged hypoglycemia which was probably caused by erroneous injection of insulin Glargine

この論文をさがす

説明

症例は30歳代女性。入院7年前に近医で1型糖尿病と診断され強化インスリン療法開始。アスパルト各食直前6単位,グラルギン眠前10単位で治療中。搬送前日グラルギン10単位投与,翌朝昼ともにアスパルト6単位投与。同日昼食後に血糖値33mg/dLと低血糖性昏睡をきたし,近医で50%ブドウ糖を静注され一時的に意識回復したが,その後も低血糖が遷延するため,当院へ緊急搬送。低血糖を認めず,最終的にブドウ糖液の持続投与が中止できたのは,最終インスリン投与から約58時間後であった。グラルギン過誤投与の申告がなかったため,低血糖症の鑑別に苦慮したが,最終的にIRI 1,002.0μU/mL,CPR 0.1ng/dL,インスリン抗体陰性,インスリン拮抗ホルモン正常,臨床経過よりグラルギン過量投与による遷延性低血糖と診断した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ