書誌事項
- タイトル別名
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- The Change of Multidirectional Lip-Closing Force by Lip Closure Training: The Effect of Continuing and Discontinuing Training
- コウシン ヘイサ クンレン ノ ケイゾク ト チュウシ ニ ヨル コウシン ヘイサリョク ノ ヘンカ
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抄録
<p>【目的】健常成人に対して,ボタンプルの口唇閉鎖訓練による口唇への有効部位,また訓練中と中止後の口唇閉鎖力の経時的変化を明らかにすることを目的に,多方位口唇閉鎖力測定装置を使用して実験を行った.</p><p>【対象と方法】全身疾患および顎口腔顔面疾患を有しない27~33 歳の健常若年成人男性15 名(30.1±1.8歳:27~33 歳)を対象に,口唇閉鎖訓練前,4 週間継続中,後の多方位口唇閉鎖力測定装置による筋力の変化を計測した.訓練法は,ボタンプル(能動法)1 分間7 回を1 セットとして1 日3 セットを実施させた.口唇閉鎖力測定は,多方位口唇閉鎖力測定装置を用いた.訓練開始前,訓練開始後1 週間後,2 週間後,3 週間後,および4 週間後の口唇閉鎖力を測定した.その後,訓練を中止して1 週間後,2 週間後,3週間後および4 週間後に同様の方法で口唇閉鎖力を測定した.</p><p>【結果】ボタンプルの効果は,上下の口唇中央部と右斜め上方部で有意な上昇を認めた.3週間で有意な口唇閉鎖力の増強を認めたが,3 週間以降はそれ以上の有意な増強がみられなかった.訓練中止後は,2 週間で口唇閉鎖力の有意な減弱が認められた.口唇閉鎖力は,訓練前後,中止後のいずれも,上下垂直方向で閉鎖力が大きく,口角部で閉鎖力が弱いという方向特異性が認められた.</p><p>【考察】ボタンプルによる訓練は,3 週間目で上下の口唇中央部で口唇閉鎖力が増強し,3 週間以降は口唇閉鎖力の有意な増強効果が認められなかったので,一定の訓練期間が必要であり,一定の期間後は訓練効果としてプラトーになることが示唆された.訓練中止後は,2 週間で有意な口唇閉鎖力の低下を認めた.したがって,ボタンプル訓練は,継続した訓練が必要であることが示唆され,訓練プログラムの検討に際して参考になると考えられた.</p>
収録刊行物
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- 日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
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日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 21 (3), 136-144, 2017-12-31
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390003825175095168
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- NII論文ID
- 130007833335
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- NII書誌ID
- AA11193069
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- ISSN
- 24342254
- 13438441
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- NDL書誌ID
- 029150246
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可