代理出産というビジネス

書誌事項

タイトル別名
  • Surrogacy as Business
  • 代理出産というビジネス : 経緯・現状とそれを支える文化構造
  • ダイリ シュッサン ト イウ ビジネス : ケイイ ・ ゲンジョウ ト ソレ オ ササエル ブンカ コウゾウ
  • Transition, Current Situation and Cultural Structure to Support the Contract
  • 経緯・現状とそれを支える文化構造

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抄録

<p> 代理出産は1976 年に米国で発明された商業的な契約である.当時の批判的な世論に影響された結果,商業的要素の低い人助けとしての位置づけがなされた.その後ベビーM事件により下火となるも,1990 年代に体外受精を用いる形で普及し,2000 年代からは生殖アウトソーシングと呼ばれる越境代理出産が流行し,世界的な一大市場を形成してきた.</p><p> このような代理出産には,乳児売買,かつ女性の赤ちゃん工場化であるとの批判がなされてきたが,後者は女性の〈妊娠・出産というサービス〉と解釈されることで,身体の商品化を免れるレトリックが構築されてきた.しかし代理出産の現状は,それが女性の生命機能全体の商品化であることを示している.</p><p> これら代理出産を支える論理は,生命科学知により分節化されつつ発展する「生-資本」が機能する社会の中で構築されている.そして代理出産市場は,このような社会で人の潜在的な〈生殖可能性〉を喚起しながら拡大を続けている.</p>

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