鏡視下腱板縫合術術後に感染を起こした一例

  • 赤塚 孝太
    久留米大学医療センター整形外科・関節外科センター
  • 本多 弘一
    久留米大学医療センター整形外科・関節外科センター
  • 中村 秀裕
    久留米大学医療センター整形外科・関節外科センター
  • 後藤 昌史
    久留米大学医療センター整形外科・関節外科センター
  • 大川 孝浩
    久留米大学医療センター整形外科・関節外科センター
  • 志波 直人
    久留米大学整形外科

この論文をさがす

抄録

<p>今回我々は,鏡視下腱板縫合術(Arthroscopic Rotator Cuff Repair:ARCR)後にグラム陽性嫌気性球菌による手術部位感染を来した症例を経験したので報告する.症例は43歳,男性.水泳をした後より左肩痛が出現,近医受診しMRI検査で腱板断裂を認めたため,当院紹介受診となった.既往歴として金属アレルギーを有していた.受傷後2か月で吸収性アンカーを使用したARCRを施行した.術後経過は良好であったが,術後1年のMRI検査ではT2強調画像で高信号領域を上腕骨頭に広範に認めた.血液検査でCRPは0.34,好酸球比率は51%と高値であった.アンカーによるアレルギー反応を疑い,鏡視下デブリードマンを施行,細菌培養にてグラム陽性嫌気性球菌(Peptostreptococcus asaccharolyticus)が検出された.6週間の抗菌薬投与で炎症反応は正常化した.本症例では感染症状が軽微であったが,このようなケースも常に念頭に置いて術後経過観察する必要があると思われた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ