胸壁に発生した悪性筋上皮腫の1例

  • 黒島 知樹
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 永野 聡
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 佐々木 裕美
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 篠原 直弘
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 中村 優子
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 谷口 昇
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学

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説明

<p>筋上皮腫は,唾液腺由来の腫瘍であり整形外科で治療することは稀である.今回,胸壁に発生した悪性筋上皮腫の治療を経験したので報告する.症例:64歳女性,約10年前から左側背部の腫瘤を自覚していた.最近の1,2年間で急速に増大傾向にあったため,近医にて肉腫が疑われ当科紹介となった.MRIで皮下から広背筋下にかけて約80mm大の軟部腫瘍を認めた.深部は肋間から胸腔側に突出しており,肋間筋・壁側胸膜への浸潤が疑われた.針生検にて,円形細胞主体,免疫染色で上皮系マーカーが陽性で,肉腫の可能性が示唆されたが確定診断には至らなかった.MIB-1 indexが部分的に20%あり,画像上も浸潤傾向が疑われ,臨床的に軟部肉腫と考え広範切除を施行した.切除後の病理結果は悪性筋上皮腫であった.考察:筋上皮腫は全唾液腺腫瘍の1.5%程度であり,ほとんどが唾液腺原発である.渉猟した範囲では軟部組織原発は122例,胸壁発生は3例とさらに稀であった.</p>

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