岡野貞一の旋律構造

書誌事項

タイトル別名
  • The characteristic melodic structure of songs by Teiichi Okano
  • 岡野貞一の旋律構造 : 作品特定の手掛かりとして
  • オカノテイイチ ノ センリツ コウゾウ : サクヒン トクテイ ノ テガカリ ト シテ
  • identifying his compositions
  • 作品特定の手掛かりとして

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抄録

<p> 岡野貞一(1878 〜 1941)はいわゆる文部省唱歌の代表的な作曲家とされている。しかし、『尋常小學唱歌』中のどの歌の作曲に関わったかについては不明な部分が多い。</p><p> 本稿では、まず、「合議制」による『尋常小學唱歌』の制作の過程を、近年になって東京藝術大学で発見され 2003 年に翻刻出版された『小學唱歌教科書編纂日誌』によって検証し、作曲に関しては岡野を含む 6 人の楽曲委員が基本的に独立して仕事をしたことを確認した。</p><p> 次に、『尋常小學唱歌』以外の資料から、他の楽曲委員 5 名および岡野が作った旋律を探し出し、比較・分析して共通の要素および岡野固有の作曲手法をまとめた。</p><p> 最後に、抽出した岡野旋律の特徴を『尋常小學唱歌』全 120 曲と照合し、曲同士の関連も考慮に入れつつ、《紅葉》《朧月夜》《故郷》《冬景色》《雁》《秋》《廣瀬中佐》《浦島太郎》《春が来た》《入営を送る》等については岡野作曲の可能性が極めて高いと推論した。</p>

収録刊行物

  • 音楽表現学

    音楽表現学 8 (0), 49-66, 2010-11-30

    日本音楽表現学会

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