単孔式腹腔鏡補助下小腸切除術を施行した外傷性遅発性小腸狭窄の1例

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  • A Case of Posttraumatic Delayed Small Bowel Stenosis Treated with Single Incision Laparoscopic Surgery

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抄録

<p>症例は20歳の男性。乗用車を運転中の交通事故で当院に救急搬送された。搬送時は,腹部にシートベルト痕を認め同部位に圧痛を認めたが,血液検査や胸腹部造影CTでは明らかな異常所見は認めず外来で経過観察となった。受傷後8日目に腹痛を認め当院に再受診した。腹部造影CTで臍下に小腸の狭窄を認め,狭窄部位より口側の小腸の拡張を認めた。外傷性の遅発性小腸狭窄と診断し,単孔式腹腔鏡下で緊急手術を施行した。腹腔内を観察すると肥厚し短縮した小腸間膜を確認した。小腸壁は肥厚し内腔が狭窄しており,口側小腸は拡張していた。狭窄部位を臍創部から体外に出し,小腸切除を施行した。経過良好で術後8日目に退院となった。外傷性遅発性小腸狭窄では間膜の肥厚や短縮により,病変部の小腸を体外に出すのは困難なこともあるが,CT画像で狭窄部位を確認し位置を把握することで,単孔式腹腔鏡手術も有用な選択肢の1つと考えられた。</p>

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