重度心筋虚血をきたした閉塞性壁内冠動脈アミロイドーシスの1例

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  • Severe ischemic heart disease resulting from obstructive intramural coronary amyloidosis:A case report

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抄録

<p> 閉塞性壁内冠動脈アミロイドーシスは心外膜冠動脈に狭窄病変がないにもかかわらず,壁内冠動脈にアミロイドが沈着し,心筋虚血をきたす病態である.今回,虚血性心疾患に類似した病態で,急激な経過をたどった閉塞型壁内冠動脈アミロイドーシスの症例を経験した.</p><p> 症例は87歳,男性.胸部不快を主訴に救急搬送された.心電図で広範囲にST低下を認め,心エコーにて前壁領域の壁運動異常を認めた.緊急冠動脈造影では左主幹部に50%狭窄のみであり,経過観察とした.しかしその後,突然心肺停止となり,経皮的補助人工心肺装置を導入し,左主幹部に血管内治療を施行するも,全身状態改善せずに死亡した.病理解剖の結果,壁内冠動脈にアミロイドの沈着を認め,閉塞性壁内冠動脈アミロイドーシスと診断した.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 51 (5), 501-508, 2019-05-15

    公益財団法人 日本心臓財団

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