e-無線巡回<sup>®</sup>の故障予兆機能開発

  • 野添 進
    日本製紙株式会社 秋田工場 工務部

書誌事項

タイトル別名
  • Failure Prediction Function Development for “e-Musen Junkai”
  • e-無線巡回の故障予兆機能開発
  • e-ムセン ジュンカイ ノ コショウ ヨチョウ キノウ カイハツ

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抄録

<p>紙パルプ産業は代表的な装置産業であり,高効率な生産には設備の安定稼働が不可欠である。近年,IoT(Internet of Things)等のIT技術を設備やモノに活用する技術が実用化される中,当社はIoT技術を基盤としたワイヤレスセンサネットワークであるe-無線巡回®を開発,導入した。</p><p>e-無線巡回は,加速度センサと温度センサが一体化したセンサを2個備えた無線子機,無線子機の測定データを受信する親機,親機からデータを収集しデータベースに保管すると共に警報判定を行う収集サーバ,測定データ監視端末で構成される。</p><p>2012年に開発され2017年11月以降は外販も開始した。従来の閾値監視でも効果を発揮できるが,e-無線巡回にて収集したビッグデータを用いて,更なる故障予兆を模索し技術開発を行った。</p><p>e-無線巡回の「ひとつの子機で加速度センサと温度センサが一体化したセンサを2個保有する」という特徴を最大限生かし,子機のセンサを電動機もしくはファン・ポンプの負荷側と反負荷側に設置し,この両者の相関関係を監視することで,軸受の状態変化を捉えることに成功した。</p><p>この技術を活用することで従来の閾値監視よりも早いタイミングでの故障予兆を実現する可能性があり,現在はトライアル機の開発をほぼ完了し秋田工場に設置して予兆機能の確認を行っている。本稿では故障予兆の基本機能について紹介する。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 74 (3), 220-226, 2020

    紙パルプ技術協会

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