蔵王連峰のオオシラビソ林で発生した集団枯損の広域把握と枯損後の更新

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タイトル別名
  • Large-area Mapping of the Mass Mortality and Subsequent Regeneration of <i>Abies mariesii </i>Forests in the Zao Mountains in Northern Japan
  • ザオウ レンポウ ノ オオシラビソリン デ ハッセイ シタ シュウダンコソン ノ コウイキ ハアク ト コソン ゴ ノ コウシン
  • Large-area mapping of the mass mortality and subsequent regeneration of Abies mariesii forests in the Zao Mountains in Northern Japan 102

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抄録

<p>林床にササが優占する蔵王連峰のオオシラビソ林では,穿孔性昆虫による局所的な集団枯損が発生している。本研究では,山形県側に分布する528 haの同種の森林を対象に,衛星画像を用いて各50 mメッシュ内にある個体の枯損率を調べ,GISにより集団枯損の分布と対応する立地を検討した。枯損率60%以上のメッシュが集中する地区は大別して3カ所あり,その大部分は高標高域の西側斜面に位置していた。しかし,同立地の多くは枯損率が20%未満のメッシュであったため,集団枯損の局所的な発生を立地条件だけで説明することはできなかった。28個のメッシュ内に調査区を設定し,ササの林床被度と後継樹密度との関係を調べたところ,ササが密生するほど同種の実生や稚樹の数は減少した。ササの被度は標高が上がるにつれて増加する傾向があり,後継樹密度は高標高域で低かった。その傾向が顕著であった地蔵岳の西側斜面は,高標高域に枯損率の高いメッシュが最も集中しており,枯損林内に設定した調査区には実生や稚樹がまったくなかった。したがって,地蔵岳西側斜面の集団枯損林はその後の更新が困難と予測された。</p>

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